当センターでは、原則として生検体での提出を希望しております。未染標本スライドにてご提出の場合、スライドグラスのフロスト部分に鉛筆で、患者名、材料名、湿固定・乾燥固定の別を明記して下さい。
喀 痰
必要スライド枚数:湿固定2枚以上
スライドグラスに小豆大の喀痰をのせる

別のスライドグラスを重ねて挟み、軽い圧迫を加えて前後左右に数回すり合わせる
*癌細胞は、血痰部・不透明白濁部・ゼリー状粘液部に多く含まれるため、性状をよく観察してから採取して下さい。
*生検体の場合、採取された全量を冷蔵状態でご提出下さい。蓄痰材料の場合は、所定の容器にてご提出下さい。
 
穿刺吸引標本など
必要スライド枚数:湿固定2枚以上、乾燥固定1枚(リンパ節)
針内の検体をスライドグラスの上に吹き出す

別のスライドグラスを重ねて挟み、合わせたら、すり合わせずに上下に離して、固定液へ入れる。何度もすり合わせると、細胞破壊の原因になる
*採取検体は微量であることが多く乾燥しやすいため、標本作製は必ず採取現場で行い、塗抹後、瞬時に固定液に入れて下さい。
*吸引量が少ない場合、塗抹後に針・注射筒を生食水にて2〜3回洗浄し、その洗浄液を1,500rpm5分遠心、沈渣を塗抹後、直ちに固定して下さい。
 
液状検体
[胸水・腹水など] 必要スライド枚数:湿固定2枚以上、乾燥固定1枚

         [尿など] 必要スライド枚数:尿/湿固定2枚以上、乾燥固定1枚
         [胆汁・膵液など] 必要スライド枚数:湿固定2枚以上、乾燥固定1枚
 
擦過標本
必要スライド枚数:湿固定1枚(婦人科検体)、 湿固定2枚以上(一般検体)
細胞採取量により塗抹幅を調節し、乾燥を防ぐ
A:採取量の少ない場合は、幅を狭く
B:採取量の多い場合は、幅を広く
*塗抹時の乾燥を防ぐため、標本作製は必ず採取現場で行い、塗抹後、瞬時に固定液に入れて下さい。
*婦人科頸部擦過スメアは、綿棒等を立てて塗抹して下さい。
*婦人科頸管内膜スメアは、綿棒等を寝かせて、回転させながら塗抹して下さい。
 
捺印標本
必要スライド枚数:湿固定2枚以上、乾燥固定1枚以上

組織割面をスライドグラスに軽く捺印する
 
【固定操作】
湿固定:塗抹後、直ちに95%エタノールにて固定(最低30分以上)後、ご提出下さい。
乾燥固定:塗抹後、直ちに冷風(ドライヤー等)で急速に乾燥させて下さい。